2018年秋季大祭・柴燈大護摩供のご報告
毎年秋の恒例となりました、秋季大祭・柴燈大護摩供ならびに火渡り修行。今年は平成30年10月28日(日)、正しくお不動様のご縁日に執り行われました。
前年とは打って変わって、まずまずの好天に恵まれ、熱心な信奉者や地元消防団をはじめ、多くの皆様の御協力と祈りに支えられて、無事に修行を終えることができました。心より篤く御礼を申し上げます。
このページでは、準備から当日の修行までのようすを、写真で振り返ってご覧いただきます。
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道場荘厳と準備
今年も、前日から準備が行われ、当日の早朝より道場の荘厳を仕上げていきました。これは、当日の朝に撮ったものです。綺麗に飾り付けられ、最終打ち合わせです。年に一度ですから、ここをおろそかにしてはいけません。
習礼(予行演習)も、本番と同じ気分で、気を引き締めてやっています。
毎年恒例となった、奉納演奏の和太鼓も準備が完了しました。
ご祈祷や護摩木の受付、お接待の準備も調えられ、参拝されるお客様を待つばかりです。
小石川養生所からも、二人の比較的若い助っ人が駆け付けてくれました。病人が出ても安心です。
進列・諸堂御法楽
開始の時刻が近づき、宿をお借りした大文字温泉にお祀りされている「矢留鬼不動堂」に先ずはお参りをして、瑞光院に向けてお練りを開始します。
お練り行道では、吹螺師たちが力強く法螺貝の音を立てていました。この写真からもそれが聞こえてきそうです。
行道は、瑞光院境内へ入り、先に本堂へ向かいます。
本堂を遙拝し、御本尊浪切不動明王にご法楽を捧げ、本日の無魔成満をお祈りしました。
本堂をお参りした一行は、柴燈護摩道場の方に向かって引き返してきました。
入道場・御法楽
護摩道場まで進列し、入り口において宝剣先達が宝剣にて結界を切り、一同は道場に入りました。
柴燈大護摩供修行に先立ち、この山を守護されている龍神様をはじめ諸天善神、ならびに柴燈護摩道場にお祀りされているご本尊浪切不動明王の御宝前に至り、先ず、二礼・二拍手・一礼の拝礼作法につづいて修祓。全員低頭してお祓いを受けました。
続いての御法楽では、錫杖を響かせながら、参詣者も一緒になって、全員で龍神祝詞、般若心経、諸真言を唱和し、柴燈護摩供の無魔成満を祈りました。
ここで、恒例となりましたお楽しみの和太鼓奉納演奏。
神戸を中心に活動している「音鼓組」の若者たちが、勇壮な演奏を聞かせてくれて、その音は麓まで、さらに大文字山山頂まで、轟き渡っていました。
柴燈護摩修法に先立ち、法要の大祇師(導師)を勤める、松尾潤道住職より、皆様へご挨拶申し上げました。
開白の螺
住職の挨拶があって、いよいよ柴燈護摩の主要部分。その始まりを告げる開白の螺です。
仏が説法されるときの声は『獅子吼』と呼ばれ、法螺貝の音もまさに獅子吼をあらわします。開白を告げるとともに摩を払うと言われています。
神斧の大事
神斧の大事は、行く手をはばむ大木をなぎ倒し、煩悩を断って魔を払う修行です。山で修行する山伏ならではの力強い作法です。
法弓
東・南・西・北・中央・鬼門の六方向に矢を放つ法弓。道場の守護を願い、結界する作法です。
矢を取った人は、破魔矢として持ち帰ることができます。
天に向かって高く矢が放たれます。
宝剣
修験者が携える刀「宝剣」は不動明王の利剣。護摩壇に向かって「光」の文字を切り、壇上を清め結護します。
気合いが入っています。
願文
法要の趣意を宣べ、成満と祈願成就を祈る願文奉読。点火師両人は、願文師の前に松明を掲げています。
今年は、願文を読み上げた後に、祭壇の燈明から火をいただき、松明の作法を修しました。
護摩壇点火
願文奉読の後、松明に火が灯され、松明の作法が修されました。
点火師が護摩壇の火口に松明を差し入れて点火するや、またたく間に、もくもくと煙が立ち上り、護摩壇は燃え上がりました。
点火と同時に大祇師は獅子座に転座着床し、護摩の秘法を一心に修し祈念します。
その煙は、あたかも龍神様がお姿を顕されたように思われました。
燃えさかる護摩の火焔と祈り
燃えさかる火焔。奥のお不動様も、炎を見守ってくださっているかのようです。
炎と煙がすごかったのか地元の消防士さんも出動されました。
もちろん消防の許可をいただくなど、手続きは万全だったのですが・・・。
麓の方が通報されたのでしょうか???
火渡り
大柴燈護摩法要が無魔成満し、続いて火渡り修行が行われますが、火床を整えている間、もう一度「音鼓組」の皆さんが和太鼓の演奏を聞かせてくれました。
不動明王の火生三昧の境地に入って、火焔が燃えさかる火床を渡ります。
最初に大祇師が渡りますが、まず火伏せの秘法が修され、九字の印を結んで護身します。
続いて宝剣にて九字を切ります。かなり気合いが入っている様子に見えます。
正しく火生三昧の境地です。油断すると足に火傷を負います。
その後、行者たちが御祈願の御札などを頂きに捧げながら渡りました。
行者たちが渡り終えると、一般参列の老若男女も火を渡ります。
手に持っているものは、火渡りの御幣です。毎年僧侶たちが手作りしています。
火渡りの安全だけでなく、日頃の火難除けに御利益がありまい。
「音鼓組」のメンバーたちも、火焔が燃えさかる火床を渡ります。
お揃いのコスチュームも決まっていて、格好良いです。
修行を終えて
今年の大祭も無事に修行を終えて、瑞光院信徒総代よりご挨拶がありました。
無事に開催できたことへの喜びとともに、ご参詣の皆様、ならびに法要を支えてくださったスタッフの方々や、防火を見守ってくださった左京消防団錦林東山消防分団の皆様へ感謝の気持ちが伝えられました。
最後に、関係された皆様全員で記念写真を撮りました。
このほかにも、写真に入っていない方々もおられます。大祭を献身的に支えてくださった多くの方々に厚く御礼申し上げます。
【追記】お不動様受難
これまで何年も、柴火護摩修行を見守ってくださったお不動様です。今あらためてお姿を拝見すると、立派で美しいです。
ところが、平成31年1月、このお不動様に悲しい受難がありました。今はもう直接お姿を拝むことができません。
詳しいことは、あらためてお伝えできるかと思います。
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