平成30年(2018年)大峰山入峰修行の記録
平成30年瑞光院大峰入峰修行は、9月12日(水)~13日(木)の、1泊2日の日程で行われました。今年は、いつも一緒に入峰されている方が、中学1年生の息子さんを連れて親子で参加され、若さと活気あふれる修行となりました。
いつもの通り、足は痛みましたが、気持ちの上では大きな満足感に包まれ、特に新客中学1年生の頑張りに清々しい力をもらいました。入院手術後の方には、その回復力に目を見張るものがありました。また、今年は治療家の方も参加され、誰かが身体の不調を来した場合でも迅速かつ的確な処置が施され、とても助けられたことなど、収穫の大きい入峰修行となりました。
このページでは、二日間に及ぶ聖地参拝と登拝のようすを写真でたどります。特に、まだあどけない中学一年の男の子が、山林斗藪の修行を通して、凜々しい男となり、行者として成長するさまを、克明に記録しています。
掲載した写真の多くは、いつものごとく先達として私たちを導いてくださった高木英舟師が撮影されたもので、それに参加者が撮影した写真を加えて構成しました。道案内から拝観説明、登山の安全、参加者の健康などすべてを気遣っていただきました先達に、あらためて感謝を捧げます。
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第1日目 9月12日(水)
総勢6名が参加。正午に近鉄「下市口」駅前のローソンにて集合。近くで昼食をとり、天川大弁財天社を参拝しました。毎年お参りしているパワースポットです。
小雨の中ではありましたが、清々しい参拝となりました。
天河神社参拝に続いて、隣にある来迎院に参拝。弘法大師が仏棚で刻まれた、阿弥陀如来、不動明王、地蔵尊の三体の仏像に「いずこなりとも好きな所へ行かれたらよい」と告げると、不動明王はこの地に歩いて来られ、来迎院の「あゆみ不動尊」として祀られたと伝わっているそうです。
続いて、栃尾観音堂に参拝しました。堂守をされている瀬上さんのご好意により、中まで上がらせていただきました。
簡素でやや鑿痕の残る造作ですが、あふれる野性味と何とも言えない不思議な微笑が魅力の円空仏が、私たちを迎えてくれました。
仏具などもよく手入れされていてピカピカでした。
栃尾観音堂の前で記念撮影。瀬上さん、また来年もお参りに来ますね。
そのあと洞川温泉の「にしぎ」さんに宿をとりました。
到着して早速龍泉寺に向かい、池での水行、そして滝にも打たれて心身共に清らかに・・・。しかし残念ながら、今年はその様子を撮った写真がありません。
宿に戻ってお風呂に入り、水行で冷えた体を温め、お待ちかねの晩餐。心のこもったお料理をいただきました。
第2日目 9月13日(木)
今年は、いつものコースではなく、五番関登山口から登ることにしました。瑞光院の大峰修行では初のルートとなります。
にしぎさんに作っていただいたおにぎり弁当をザックに詰め込み、みなさんにご挨拶をしてから車に乗り込み、登山口にやってきました。
天気は曇り。いよいよ登り始めます。ここから30分くらいは、とても急な上り坂が続きます。
しばしの休憩タイム。まだ序の口だからか、みんな余裕の表情。
頑張った甲斐あり、五番関女人結界門に到着。お勤めをいたしました。ここは吉野からのルートにあります。
ここからは、女性の立ち入りが許されていません。昔からの掟なので、異を唱えることはできません。
女人結界門での記念撮影。
みんな引き締まった表情。
女人結界門でしばし休憩。ホッと一息つきながら、万感の思いにひたっています。
こんなに険しい道があったりします。滑落しないように、必死のパッチです。
こんなところもあったりします。橋があることは有り難いですが、滑らないように命がけで渡っています。
ルートは吉野からの尾根道に入り、鍋冠行者堂に到着。
修験道の祖、役の行者が修行中にこの付近にさしかかられた際、修行を妨げるため大蛇が現れ、口から吹いた火の玉が行者に降りかかりましたが、行者は食事用に携行されていた鍋をかぶって難を避け、呪術をもって大蛇を退治されたそうです。
この故事にちなみ、鍋をかぶった行者が祀られるようになったということです。
表情に余裕がなくなってきています。ガンバレ!
鎖場もありました。息も絶え絶え。
そして、浄心門、洞辻茶屋にたどり着きました。ここからは慣れたコースです。みんなでお勤め。
ここは、何度も歩いている尾根道です。
9月4日に襲った台風21号の暴風によってなぎ倒された巨木。
自然の恐ろしさを痛感しながら進みました。
今日も先頭を歩く高木先達は、得意の必殺猿腕撮影法で、みんなの修行をカメラに収めていました。ちょっと傾いているのは、カメラが傾いているからです。
「油こぼし」の付近では絶景が望めました。中央の集落は、吉野かと思われます。
表行場に入ると、鐘掛岩の手前に、この鎖場があります。油断は禁物。三点確保で慎重に!
新客の中学1年生を導く高木先達は、ここでもしっかりカメラを向けて、思い出を残そうとしてくださいました。
表行場の一つ「鐘掛岩」にまもなく到着です。
鐘掛岩の修行には、新客の中学1年生が父と共に挑みました。高木先達の指導のもと、必死の表情。
西の覗の修行準備。先達も安全のため鎖を身体に取り付けます。みんな命がけなのです。
新客の中学1年生が、西の覗にもチャレンジしました。
お昼には山上の龍泉寺に到着し、お参りののち昼食。おにぎり弁当がとても美味しい。
そして、いよいよ大峯山寺に参拝。
大峯山寺では、堂内でお勤めして、秘密の行者様を内拝させていただきました。
神秘的なまなざしで私たちの心中を見透かすような行者様。常日頃から守護していただいていることに感謝し、全員の無事下山を祈りました。
この写真は、本堂前での記念撮影です。霧雨の中でしたが、みんなの心は晴れ晴れとしていました。
大峰山寺に続いて、役行者が蔵王権現を祈り出したと伝えられる湧出岩へお参り。
頂上のお花畑での一コマ。
晴れていれば見晴らしの良い「日本岩」。あいにく霧で何も見えませんでした。
大峯山寺や龍泉寺ともお別れをして、一路下山しました。
鎖場は下りのほうが危険で、足にこたえます。
夕方6時、五番関登山口へ下山完了しました。あたりはすっかり暗くなっていました。
ふたたび「にしぎ」さんに戻り、お風呂をもらい汗を流す。
その後いつもの「たらふく村」で夕食をとり閉会式。全員無事に帰宅しました。
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