2017年秋季大祭・柴燈大護摩供のご報告
毎年秋の恒例となりました、秋季大祭・柴燈大護摩供ならびに火渡り修行。今年は平成29年10月29日(日)に執り行われました。
おりから、台風22号の接近が伝えられており、雨風ともに心配される状況下、熱心な信奉者や地元消防団をはじめ、多くの皆様の御協力と祈りに支えられて、無事に修行を終えることができました。心より篤く御礼を申し上げます。
このページでは、執行前日の準備から当日の修行までのようすを、写真で振り返ってご覧いただきます。
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道場荘厳と準備
前日から柴燈護摩の準備に入りましたが、台風接近が報じられる中、作業開始の頃には雨が降り出しました。急遽雨合羽を準備して、できるだけの準備をすることにしました。
この写真は当日の朝に撮ったものです。小雨の中ではありましたが、いよいよ本格的に道場を荘厳してゆきます。
今年も壇は綺麗に築かれています。ブルーシートを取り除いていますが、雨で濡れると点火が困難になりますから、上の一枚だけは残しています。
当日の早朝には、台風の影響で山の中の大きな木が折れて倒れ、その大きな音で目覚めました。しかし、その後次第に風は吹かなくなり、野外での護摩修行に差し支えることはありませんでした。
進列・諸堂御法楽
本番の時刻が近づくと、雨は本降りになりました。
宿として、瑞光院のすぐ隣にある大文字温泉をお借りしていますが、そこにある「矢留鬼不動堂」に先ずはお参りをして、瑞光院に向けてお練り開始。
瑞光院本堂前まで進列し、ご本尊浪切不動明王を遙拝して、御法楽を捧げました。
入道場・御法楽
護摩道場まで進列し、道場の入り口において、宝剣先達が宝剣にて結界を切り、一同は道場に入りました。
柴燈大護摩供修行に先立ち、この山を守護されている龍神様をはじめ諸天善神、ならびに柴燈護摩道場にお祀りされているご本尊浪切不動明王の御宝前に至り、先ず、二礼・二拍手・一礼の拝礼作法につづいて修祓。全員低頭してお祓いを受けました。
お祓いに続いて御法楽を捧げました。錫杖を響かせながら、参詣者も一緒になって、全員で龍神祝詞、般若心経、諸真言を唱和し、柴燈護摩供の無魔成満を祈りました。
開白の螺
今年も、護摩供修行のはじまりとして、『音鼓組』のみなさんにお越しいただき、和太鼓の奉納演奏を予定していましたが、残念ながら雨のためかないませんでした。
住職の挨拶に続いて、開白の螺です。
仏が説法されるときの声は『獅子吼』と呼ばれ、法螺貝の音もまさに獅子吼をあらわします。法螺貝の音は、柴燈大護摩法要のはじまりを告げます。
神斧の大事
神斧の大事は、行く手をはばむ大木をなぎ倒し、煩悩を断って魔を払う修行です。
いつもながら、気合のみなぎった作法です。
法弓
東・南・西・北・中央・鬼門の六方向に矢を放つ法弓。道場の守護を願い、結界する作法です。
矢を取った人は、破魔矢として持ち帰ることができます。
行者さんの見事な作法です。
宝剣
修験者が携える刀「宝剣」は不動明王の利剣。護摩壇に向かって「光」の文字を切り、壇上を清め結護します。
願文
法要の趣意を宣べ、成満と祈願成就を祈る願文奉読。点火師両人は、願文師の前に松明を掲げています。
今年は、願文を読み上げた後に、祭壇の燈明から火をいただき、松明の作法を修しました。
護摩壇点火
願文奉読と松明の作法が修され、点火師は護摩壇の火口に松明を差し入れ点火。
またたく間に、もくもくと煙が立ち上り、護摩壇は燃え上がりました。
その煙は、あたかも龍神様がお姿を顕されたように思われました。
燃えさかる護摩の火焔と祈り
点火と同時に大祇師は獅子座に転座着床し、護摩の秘法を一心に修し祈念します。
燃えさかる火焔に、行者一同も錫杖を振りながら経典や真言を読誦し、一心に祈りを捧げます。
燃えさかる火焔の中に、行者の手によって添え護摩木が、祈りとともに投じられています。
火渡り
不動明王の火生三昧の境地に入って、火焔が燃えさかる火床を渡ります。
最初に大祇師が渡りました。まず火伏せの秘法が修され、宝剣で九字を切り、剣を持って火を渡ります。
二度目も、大祇師が御祈願の御札などを頂きに捧げながら渡りました。
修行を終えて
今年の大祭も無事に修行を終えて、瑞光院信徒総代よりご挨拶がありました。
無事に開催できたことへの喜びとともに、ご参詣の皆様、ならびに法要を支えてくださったスタッフの方々や、防火を見守ってくださった左京消防団錦林東山消防分団の皆様へ感謝の気持ちが伝えられました。
最後に、関係された皆様全員で記念写真を撮りました。
このほかにも、写真に入っていない方々もおられます。大祭を献身的に支えてくださった多くの方々に厚く御礼申し上げます。
そして、このころには雨も上がっていました。
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