平成26年(2014年)大峯山入峯修行の記録
鹿ヶ谷山瑞光院にとっては、今年10年ぶりに柴燈護摩を執行することになり、松尾住職をはじめ、関係している人々の中からは、さらに修験道の研鑽を積むべく、大峯入峯修行を望む声が次第に上がり始めていました。
幸い柴燈護摩スタッフの中に、山林斗藪のレジェンドとも称される高木英舟師がおられたので、師に先達をお願いしたところご多忙の中に日程を調整してくださり、9月16日~17日の1泊2日で大峰山入峯に赴くことになりました。
残念ながら松尾住職は、すでにその日予定が詰まっていて差し支えるため、住職の代参の意味も込めて、有志だけで山岳修行に入ることになりました。
好天に恵まれた二日間、高木先達も含めて3人での大峯巡拝のもようを、写真で綴っています。
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第1日目 9月16日(火)
初日、京都から参加する新客2名は、近鉄電車と吉野ケーブルを乗り継いで、吉野山上駅で高木先達と合流。
真っ先に吉野の金峯山寺で、蔵王権現や役行者にお参りしました。檜皮葺の美しい姿を見せる国宝蔵王堂を背景に撮影。
その後、車田商店で修験用品などを買い求め、先達の車に載せていただき一路洞川温泉に向かいました。
洞川では久保治さんにお世話になりました。玄関前で新客の2名です。
お風呂に入って、美味しい夕食をいただき、明日の登拝に備えて早めに就寝。
第2日目 9月17日(水)
翌朝は暗いうちに龍泉寺へ水行に赴きました。早朝の水の冷たいこと、身を刺されるようでした。
八大龍王堂前での写真です。
朝食をいただき、身支度を調え、お弁当をもらっていよいよ入峯。
これから女人結界をくぐります。
上りの道半ばに役行者のお助け水があります。
ここでの立螺はよく響き渡って、とても気持ちよかったです。
行場にさしかかると見晴らしのよいところがあって、そこからの眺めは絶景です。
先達は見渡せる山々や集落のことなども、詳しく説明してくださいました。
鐘掛岩を無事通り終えての一コマです。
こわかった~っ!
引きつった表情の新客2名です。このあと、西の覗きにも挑みました。
山上では、龍泉寺に荷物を置かせてもらい、寺の山先達にお願いして裏行場に連れて行ってもらいました。
蟻の戸渡や平等岩など、高所恐怖症の新客たちににとっては、正に命がけの行場が連続しています。
しかし、若い山先達は、ゴム長でヒョイヒョイ~でした。
私たちのコワゴワとしたようすを見るのが怖かったと言ってました。
裏行場での行を無事に終えて、大峯山寺に参拝。
目的を達成した喜びに包まれています。
役行者の祈りによって、蔵王権現が出現したという湧出岩。
頂上のお花畑。
日本百名山のひとつに数えられる、大峯山上ヶ岳の頂上です。標高1719.2m。
ほかの一般登山客も来ていました。
山上の自然は、下界では見られない景色を生み出していました。
日本岩の眺望。
先達は一段高いところに立っていますが、実はうしろは断崖絶壁なので怖いのです。
吼える高木先達。
向かいの峰まで届けとばかりに、先達の吹螺は轟き渡りました。
カメラ小僧の高木先達。
下山の途中にも、被写体を見つけてはシャッターを切り続けていました。
かくして高木先達と新客2名は、無事に入峰修行の本懐を遂げ、先達の車に揺られて帰宅の途に着いたのでありました。
高木さん! 何から何まで有り難うございました。
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